『白鷺の城』『異人たちのルネサンス』(宙組・2018) 観劇の感想
<ネタバレあります>
『白鷺の城』はストーリーが分かっていた方が楽しめる…というようなことを聞いてはいたのですが、結局予習しないままに観劇しました。
緞帳が上がると、白鷺が羽を広げているのが鮮やかに描かれていて、これがなかなか見ごたえがあって、とてもきれいで、ショーが始まるのがとても楽しみになる感じです。
そして、最初の桜木みなとさんと寿つかさ組長さんが上手と下手に分かれての登場シーン。
なかなかいいですね~。ぐっと観客をひきつけます。
そこからずっと、中世の華やかな衣装となかなか印象深い歌、そして、素敵な素敵な宙組の男役さん、娘役さんに目を奪われ、とにかく「わぁ~」とニコニコ顔で観ていました。
松本悠里さんの所作、存在感はさすがで、この世のものではない感じがよく出ていたと思います。
そして案の定、ストーリーはよく分からなくなってきましたが、でも途中からはストーリーを追うのはやめて、何も考えずにその場面その場面をショーとして楽しむことにしましたが、これはそれができるショーでした。
美しい宙組さんによる華やかなショーで、踊りも見ごたえがあったし、目の保養にもなるようなそんなショーで、とっても楽しかったです。
宙組さんも日本物が結構似合うし、また映えますね。
スタイリッシュさと日本物とが融合して、とても素敵でしたし、真風さんもとても似合っていて、宙組のよさがとても出ていたショーだと思いました。
同行した友人は少し眠くなってしまったようでしたが、私は結構気に入りました。
そしてお芝居の『異人たちのルネサンス』。
こちらも中世が舞台。
史実とフィクションを混ぜてなかなか興味深い内容でしたが、とにかく宝塚ならではの舞台で、単純に楽しかったです。
皆さんかっこいいし、きれいだし、酒場のダンス&歌はすてきだし、雰囲気もあったし、とても楽しませていただきました。
愛月さんはショーのときも感じたのですが、本当に芝居心があって、圧倒的な美とオーラを感じるスターさんですね。自然と目がいってしまいます。
和希そらさんもとてもエネルギッシュ。体中からたくさん光を放っていました。
桜木さんの役はあまりいいところがない役で、
ひねくれるし横恋慕はするし、最後はこうなってしまうし、なんだか救いのない人でちょっとかわいそうだったなぁ。
あと、芹香さんの最後に襲われるシーンも、ほんと散々で、「もう~大丈夫かしら」と観ていました。
そして、なんだかんだ言っていい働きもして、そんなに悪い人ではなかったのかも・・・なんて思えました。(笑)
星風さんは、歌、セリフとともに声のキーがいつもより少し抑えめ(低め)で、高いキーはちょっと苦手だなぁと思っていたので、私はこの方が好きです。
あとは、ショーでは妖しさ、お芝居では大人っぽさや翳(かげ)がもう少し出せるといいなぁと思いましたが、まぁ完璧な方はいないし、あれもこれも望むのも身勝手だな、と思うので今で満足です。
あと、純矢ちとせさんはさすがだなぁ。あの存在感はすばらしいです。
そうそう、あとは天彩峰里さん。
ショーの方でも印象深かったのですが、お芝居の方でサライという役をされていて、最後、このサライの今後を心配してしまいました。
この事件の顛末を自分が招いてしまったとトラウマにならないといいのだけれど大丈夫かしら・・・と観ていて切なくなってなんだか泣きそうになってしまうなど、とても魅了されました。
エトワールの歌もとってもきれいでよかったです。
最後に、フィナーレの真風さんと娘役さんたちのダンス。
こういう真風さんはとても素敵でいいですね~。
こういうふうに娘役さんたちと踊ると真風さんの魅力がさらに引き出されると感じました。
さらに娘役さんのダンスもとっても素敵で、そしてそこから男役さんが出てきてのダンス。
う~ん、圧巻でした。
今回はとても疲れている中での観劇でしたが、
とってもとっても楽しかったです。
今年最後の東京宝塚劇場での観劇でしたので
楽しさとともに、ビジュアルも雰囲気もよーく目に焼き付けておきました。