すみれ色日記

宝塚について思うままに語ります

雪組『ファントム』観劇感想 ~その2

前回は全体の感想だったので
今回はキャストについてです。


<ネタバレあります>



望海さんはとても素敵でした。
内からあふれでる輝き、放つエネルギーが素晴らしいです。
歌もさらに磨きがかかったような・・・。
歌声も伸びやかですてきで、
エリックの孤独、叫び、愛を
心からあふれ出る歌にのせてみせてくれ、
観終わった時、「エリックの物語をみたんだ・・・」
という気持ちでいっぱいになりました。



真彩さんのクリスティーヌは
歌が大好きな純真な少女そのままで
とてもかわいかったです。
それがエリックと出会ってから
徐々に大人の女性に成長していくようなそんな感じがしました。
とくに、2幕の「My True Love」は本当にすばらしかった・・・。
情感のあふれる、祈るような歌。
あれではエリックは仮面をはずしてしまいますよね。


(それなのに逃げてしまうのは
 「えぇーっ?」という感じもありますが、
 でも、原作では本当にすごい顔だったようなので
 仕方がないかなぁ、と。
 想像を超えたものって誰でも一瞬は驚いてしまいます。
 でも、クリスティーヌは「謝らなければ」と思ったので
 すてきだと思います。)


また、瀕死のエリックを膝にのせて歌うシーンは
クリスティーヌに母親のような愛を感じ、
慈愛に満ちた聖母のようでした。
そこからソロで銀橋を歩いて歌うシーンや
その後のピアノのシーンも
エリックが死んだあとの名残りをきれいに漂わせ、
ただただ美しかったです。
あの白いドレスも素敵ですね。


さらに、彩風さんのキャリエール。
もう、本当に父親でした。
誰の父親でもない、エリックの父親です。
エリックを陰ながら見守っていた深みのある父親を彩風さんは好演。
いつからこんなにおさえた
内面的な演技ができるようになられたのでしょう。
とても感動しました。
あの銀橋での望海さんとの歌も
キャリエールの心があふれ出るように歌っていて
親子の愛が私たちの心に深く伝わりました。


そして、なんといっても舞咲りんさん。
すごかったです!
いやぁ、ほんと、すごい!
これは実力がないとできない役ですが
歌を自在に操り、小芝居をきかせ、すべて隙がなく、
本当に本当にすばらしかったです。
私はあれぐらいがまさにちょうどいいと思います。 
どうも途中から、女優のヘレナ・ボナム=カーター
(『アリス・イン・ワンダーランド』とか『ハリー・ポッター』などの)
に見えて仕方ありませんでしたが(笑)、
この舞咲さんの好演があってこその『ファントム』だと感じました。



今回の公演では
望海さんも舞咲さんも真彩さんも彩風さんも
歌が上手いとかそういうことよりも、
歌の前にまず心があって
その心が歌をとおして伝わってきたので
それにとても感動しました。
歌は完全に演技の一つであり、心でありました。



《感想はまだ続きます》

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