すみれ色日記

宝塚について思うままに語ります

『我が愛は山の彼方に』2011年月組版(全ツ)の変更に「?(ハテナ)」

2011年月組による全国ツアー公演『我が愛は山の彼方に』を観ました(映像です)。


霧矢大夢さんが朴秀民、
蒼乃さんが万姫、
チャムガは龍真咲さん。


観始めた最初の方から、
「セリフも役も前と随分と変わったなぁ、私の記憶違いかなぁ」
と感じていたのですが、
あの女真族のブルテ国王と妹のジェリメが出てこないのにはびっくり!
これはこの物語に大きな役割を果たす役で、
これは私の記憶違いではないはずです。


多分、稔幸さんのを観たときは
そういうふうに感じなかったと思います。
いつからこんなに変更されたのでしょう?


確認すると
1971年の初演時(鳳蘭さん)は
演出が長谷川一夫さんで、脚本が植田紳爾さん。
以降、1984年、85年の星組(峰さを理さん)は
植田紳爾さんが演出し、
1999年の星組(稔幸さん)は谷正純さんが演出。


そして今回の2011年月組のは
脚本・演出は植田紳爾さんが担当とのことですが、
このときに台本に大幅な修正がされたそう。
(やはり修正されていたのですね。)


でも、もともとの脚本は植田紳爾さんです。
それを、植田先生はどうして修正したのでしょう?
公演ごとに多少の変更はなされるかとも思いますが
ここまで大きく修正するのはなぜなのでしょう?
修正するからにはなんらかの意図があるんだろうとは思います。


ただ、いいふうに修正されていればいいのだけれど
万姫の設定もあらたになり、こんな設定必要?という感じだし、
全体的に説明っぽい台詞ばかりだし、
出てくる役も大分変えています。(減っています。)


先に書いた女真族の王と妹が出てこないのも
万姫を愛すがゆえ、負け戦を覚悟しながらも
出陣しなければならなかったチャムガの立場、心情が
これでじゅうぶん伝わるのかしら?と不安になります。


また、竜淵と竜林の兄弟がとてもコミカルで印象的な役だったのですが
これが玄喜一人になっていて、真面目な役柄。


これではあふれ出る涙も引っ込んでしまうし、
コミカルな明るい箇所もなくなってしまったし、
私にはどうしても前の方がいいような気がしてしまいます。
そのときの出演者に合わせたのでしょうか?
それとも原作がそうで、それに合わせようとしたのでしょうか?


真っ白な状態で観ればいいと思うのかな、と思もいましたが
私には前のがインプットされているので
なかなか客観的に観られません。


そのためにはおそらく
何度も何度も観てみる必要があるのだと思いましたが
それもまた大変だし、そこまではいいや、となり、
「いいや、私には前の『我が愛は山の彼方に』があるからそれでいいわ。
 別に私には関係ないわ。」
と結局はそこに落ち着きました。


いつか原作を読んでみたら少しは謎が解けるのでしょうか。



ちなみに、私が好きだった冒頭の女真族が攻め入ってくるシーン。
子どもながらにわくわくしたのですが、
この公演では劇場が小さいということもあってか、
あまり迫力を感じられず残念でした。
全体的に立ち合いに迫力がなかったような気がしました。


あと、龍さんのチャムガの雰囲気づくりはとてもよかったです。

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