すみれ色日記

宝塚について思うままに語ります

『ファントム』の世界にひたる

10日ぶりぐらいで再び『ファントム』を観たのですが
なんかすごかったです!


エリックはさらに繊細なお芝居になっているし
コーラスの声量もさらにアップして、表現も素晴らしくなっているし
群衆芝居も、さらに調和しつつ
迫力を増していたような気がしました。


そして、なんといっても銀橋での親子のシーン。
キャリエールの彩風さんがとにかくすごかった!
理屈ではない何かが「ぐおーっ」と湧き上がってくる感じで
説明のできない何かに圧倒されました。
あの歌は、歌ではなく会話ですね。


クリスティーヌの『My True Love』も素晴らしかった・・・。
もともと私はソロって退屈してしまうことが多かったのですが
この望海さんと真彩さんのはじっくりいつまでも聴いていられます。
真彩さんは愛の歌を劇場一杯に響き渡らせ、
私も胸が熱くなりました。


そしてそして、エリックがとらえられる場面。
ルドゥ警部の真那春人さんがとても熱い演技ですごかった・・・!
そこにキャリエールの熱演も重なり
もう、胸が張り裂けそうでした。


もう、すごい、としか言えないし、
ほかにも感動したところは沢山あって
書き出したらきりがないので省きますが、
昨日のを観たら、皆さんのお芝居がさらに深まり
熱量もすごくて驚きました。
個々のお芝居が深まるのと同時に
群衆芝居もさらに深まっていて、
やはりどちらかだけではない、連動しているんだと感じました。



ちなみに、今回観てみて、
前に書いた感想の中で
随分と間違った覚え方をしているところを発見して
恥ずかしい限りです。
(「『オペラ座の怪人伝説』ができたのだ~」のあとのシーンは
 エリックと従者ではありませんでした。)
記憶って本当に当てにならないし
つくられるものでもあるのかも、と実感しました。



それにしても、この作品はかわいそうです。


鎖に捕らえられたエリックがかわいそうでかわいそうで
「あれはないよなぁ」と思いますし、
シャンドン伯爵も
クリスティーヌを守ろうと頑張っていたのが
どうも二人の間に割り込んでしまっていたようで
身の置き所がないですし、
カルロッタを失ったアラン・ショレもかわいそうだし、
息子を失ったキャリエールもかわいそうです。


ただ、この話はどこか救いのある話に思えます。
エリックはクリスティーヌと出会ったことで
「生まれてきてよかった」と思えたし、
また、最後は母の愛、父の愛、クリスティーヌの愛、
そして神の愛を感じて
エリックは死んでいったと思え
エリックは幸せだったのかなぁと感じられます。
そうでなければ
何度も観たいとは思わなかったかもしれません、
(私は本来こういう話は好きではありません。)


そうそう、今回、従者たちが
とても愛おしくかわいい存在に感じました。
常にエリックの影となり、そしてエリックに尽くします。
とても一生懸命です。
必死で戦っている姿は
かわいくてかわいくて仕方がありませんでした。
エリックが死んだ後の彼らもどうなるのか気になります。


あと、個人的にツボなのが、
最初の方のパリの広場で
永遠輝さんが「フランスパン」を持って踊るところです。
だって「フランスパン」ですよ~。
(あえて「バゲット」とは言わず「フランスパン」です。)
そして煌羽さんは「風船」、綾さんは「花束」。
これらを持ってニコニコ歌って踊るだなんて、かわいすぎです。


それと、シャンドン伯爵が「クリスティーヌ!」と叫んで
せり下がりをする場面。
ここは「いかにも!」という決めどころですね。



このように、昨日はすっかり『ファントム』の世界に
どっぷりはまってしまいました。
もう観られないのが残念ですが
でも十分に楽しませていただきましたので満足です。


そうそう、昨日のはサンケイリビング新聞社の貸切公演で
笠井アナが司会でしたが、
さすがにお上手で、とても楽しくお得な公演となりました。

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