花組の作品への希望
仙名さんの退団発表には驚かされました。
私はとくに添い遂げ退団推奨派ではないのですが、仙名さんの場合は、明日海さんの任期がささやかれている昨今、明日海さんも信頼できる相手役に会えて、今とても充実しているように思われたため、
仙名さんが先に退団して、明日海さんが今さらまた新たな相手役さんと組むのは明日海さんの負担が大きいのではないかな、
ということと、
かといって、仙名さんが明日海さんのあとまで残るのはあまり考えられないかな、
などとなんとなく思っていたので、明日海さんと一緒の退団かしら、と勝手に思っていたように思います。
なので、今回の発表は不意を打たれてしまいました。
この退団については私なりに思うところもありますが、すべて憶測の範囲なのでここでは書かないでおこうと思います。
ただ、この花組さんについて、ちょうど私が書きかけていた記事があり、そこには仙名さんが不可欠でした。
なので、かなりの衝撃を受けてしまい、そしてなんだかよく分からなくなってきてしまいました。
その記事とは、まぁ、要は、もっと、明日海さんと仙名さんがじっくり組むお話を観たいと思った、というところです。
これは、仙名さんの待遇のことだけを考えて言っているのではなく、明日海さんのため、花組のため、作品のため、そしてファンのためにもそう思うのです。
せっかく仙名さんという素敵なトップ娘役さんがいるのですもの。
もっと仙名さんを生かすと、それとともに深みがあって見ごたえのある作品ができ、そして明日海さんの魅力もさらに活きるのではないかと思ったのです。
明日海さんの魅力は、一人派手に際立たせているときにも発揮されますが、もっと人と深くかかわりながらの、静かな深い演技の中でも発揮されると思います。
ビジュアルだけではなく、内面からにじみ出る「美」。それも大きな魅力です。
そういう意味では、私は観ていませんが『あかねさす紫の花』などはいい作品だったんじゃないかと思います。
だから、仙名さんとじっくり組む話は明日海さんの魅力もいかされるし、それとともに作品も深まるし、また、明日海さんの負担も減るんじゃないか、と思いました。
本当はここで、二番手さんともっと対等にがっつり組んでお芝居もできたらよかったのですが、まだちょっと弱いかな…と、ここが少し残念です。
私は、頼りになる二番手さんの存在ってとっても大事だと思っています。
(これは学年もあるかもしれません。柚香さんがどう、というよりも、組の育て方かな、とも思いますし、明日海さんとのバランスにおいて、経験的にもどうしても開きが出てしまいます。)
周りにこういうことを話せる人はいないのでよく分からないのですが、今の花組は、明日海さんの魅力の一つであるビジュアルを強調するのに焦点を当てていて、また、明日海さん一人を際立たせようとし過ぎているんじゃないかしら、と感じたりします。
とくに、ショーよりもお芝居の方に感じるのかな・・・。
(なんか、このあたりの表現がとても難しくてうまく言えないです。)
ここが、私が少し入り込みずらい部分になっていると思いますが、これは他の生徒さんたちの実力のことを言っているのではなく、組・作品のみせかたの問題です。
この花組のみせかたや売り出し方について、劇団の思わくや方向性が私のとは違う気がするのですが、でもこれできているということは、この方向でうまくいっていて、私の考えが少数派なのかもしれません。
ただ、私は、一人ではなく、二人、三人がもっと中心になってつくる作品が観たいなぁと思い、それが明日海さんと仙名さんにならできると思ったのです。
そうしたら、ここにきて仙名さんの退団発表です!
まったく、私の希望がもろくも崩れ去ってしまいました。
う~む、もっと明日海さんと仙名さんがじっくりからむお芝居をみせてほしかった・・・。
次作『CASANOVA』は、ストーリーからすると私の望む作品とは少し違うような気もするけれど、でも、仙名さんの退団公演にもなる作品です。
ちょっと期待したいと思います。